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皆さんこんにちは!
合同会社日高牧場の更新担当の中西です。
牧場の未来は最初の48時間で7割決まる——と言っても過言ではありません。初乳の量・タイミング・質(IgG)が、免疫と成長の土台を作るからです。ここでは分娩介助から初乳管理、子牛の保温・乾燥・衛生まで“時間軸”で解説します。⏱️
1)分娩準備と介助
• 分娩房は乾燥・清潔・静寂。敷料は厚め、消毒歴を記録。
• 異常兆候(陣痛の遷延、胎位異常、悪臭)を見逃さない。
• 介助の原則:無理をしない・清潔第一・潤滑十分・牽引角度を守る。
• 記録:分娩時刻、介助有無、難産度、子牛の性別・体重。
2)初乳の「3つのC」
• Correct Time:出生後2時間以内に十分量(目安体重の10%/24h)。
• Correct Quantity:初回は4L相当を狙い、分割でも可。🍼
• Correct Quality:比重計やBrixでIgG推定。低い場合は代替初乳を準備。
3)保温・乾燥・呼吸の確保
• タオルで全身乾燥→臍処置(消毒)→呼吸確認。
• 寒冷期はヒートランプやカーフジャケット。
• 体温・姿勢をチェック(吸啜反射・立ち上がりまでの時間)。
4)子牛ハウジングと衛生
• カーフハッチは換気・乾燥が命。
• 個体飼いで交差感染を抑え、専用具(哺乳瓶・バケツ)を個別管理。
• 給水は初乳後も早期から。電解質は下痢兆候時に。
5)下痢・肺炎の早期介入
• 警戒サイン:耳垂れ、沈鬱、吸啜低下、呼吸数↑、体温変化。
• 電解質+保温+保清を即時。
• 抗菌薬は獣医の指示で適正使用。
6)48時間チェックリスト ✅
• 体温・呼吸・姿勢・吸啜
• 初乳量・質・タイミングの記録
• 臍消毒・ハッチ清掃・敷料交換
• 個体識別(耳標)・登録・記録の完了
まとめ:初乳の管理=未来の歩留。先回りの準備と“儀式化”で、哺育のスタートを完璧に。🌟
皆さんこんにちは!
合同会社日高牧場の更新担当の中西です。
繁殖成績は繁殖牧場の売上の直結KPIであり、一貫・肥育でも導入時点の健康・遺伝が将来の歩留に影響します。発情の見逃し、タイミングのズレ、微細な栄養不良は、1回の空胎=数万円規模の機会損失を生みます。ここでは、発情発見→AI(人工授精)→ET(受精卵移植)の要点を現場目線でまとめます。👀
1)発情発見の精度を上げる
• 観察時間:早朝・夕方の2回は“止まって見る”。
• 行動指標:乗駕、鳴き、落ち着きのなさ、食下量低下、活動量↑。
• IoT活用:首輪・耳標センサーで活動量や反芻を数値化。📡
• 同期化プログラム:群管理で発情を揃え、作業平準化。
2)AI(人工授精)のタイミング
• AM-PMルールなど“観察→翌回実施”の原則をチームで統一。
• ストレス最小:保定・移送・高温を避ける。
• 衛生管理:ディスポ器具・潤滑・清潔な手袋。
• 記録:種雄牛、実施者、タイミング、注入量を即時記録。
3)ET(受精卵移植)の使い所
• 遺伝改良の加速、ブランド戦略(高付加価値血統の増殖)。
• 受け牛の条件:体況スコア(BCS)適正、発情同期、子宮状態良好。
• 凍結・融解手順の標準化でロスを最小化。
4)栄養・体況スコア(BCS)の基準
• 低すぎるBCS:無発情・受胎率低下。
• 高すぎるBCS:分娩トラブル・産後疾患リスク。
• 移行期栄養(分娩前後3週間)を“厳密に”設計。
5)現場テンプレ:繁殖カレンダー🗓️
• 受胎目標、分娩予定、乾乳・分娩前後の処置を1枚に集約。
• 週次レビュー:未観察個体ゼロ運動。
• KPI:受胎率、初回受胎率、分娩間隔、空胎日数。
まとめ:繁殖は“見て、測り、揃える”。観察×標準化×記録が、受胎率と子牛の初期健康を底上げします。📈