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日高牧場のモーモー日誌

皆さんこんにちは!

合同会社日高牧場の更新担当の中西です。

 

~部位ごとの特徴~

同じ一頭でも、部位ごとに脂の質・筋繊維の向き・水分保持性が異なり、味わいも火入れも変わります。牧場の“顔”としてお客様に説明しやすいよう、主要部位を風味・食感・調理向きで整理しました。


ロース系(肩ロース/リブロース/サーロイン)

  • 肩ロース(クラシタ・ザブトン・ミスジ含む)

    • 風味:コク深く香りが強い |食感:適度なサシと噛みごたえ

    • 調理:薄切りのすき焼き・しゃぶ、ミスジは厚切りステーキ/焼肉◎

  • リブロース

    • 風味:甘い脂とジューシーさ |食感:きめ細かく柔らかい

    • 調理:ステーキ、ロースト、焼肉の厚切り

  • サーロイン

    • 風味:香り高く華やか |食感:柔らかいが脂はしっかり

    • 調理:ステーキの主役。焼きすぎず休ませてジューシーに

ヒレ(フィレ/シャトーブリアン)

  • 風味:上品で淡い旨み |食感:最軟部位、脂は控えめ

  • 調理:レア〜ミディアムで。厚切りステーキ、カツレツ、ポワレ

ランプ&イチボ(腰~お尻)

  • ランプ:赤身の旨みが濃く、後味さっぱり

    • 調理:ローストビーフ、厚切りステーキ、タタキ(衛生管理徹底)

  • イチボ:ランプよりサシが入りやすく、コクと柔らかさのバランス

    • 調理:焼肉、ステーキ。塩・胡椒のシンプル仕立てが光る

もも(ウチモモ/ソトモモ/シンタマ)

  • 共通:赤身中心でヘルシー。繊維はやや長め

  • ウチモモ:さっぱり・きめ細かい|ロースト、薄切り

  • ソトモモ:しっかり噛み応え|煮込み、薄切り焼き、ミンチ

  • シンタマ(シンシン・トモサンカク等):赤身でも柔らかめ|ロースト、たたき

バラ(肩バラ/トモバラ:三角バラ・中落ち・カイノミ等)

  • 風味:旨味と脂のパンチ力 |食感:層状でジューシー

  • 調理:焼肉(カルビ)、プルコギ、角煮、シチュー。脂の甘みを活かす

うで(ウデ・クリ・トウガラシ)

  • 風味:濃い旨み |食感:繊維しっかり、部位により柔らかめも

  • 調理:薄切り(すき焼き・しゃぶ)、シチュー、ホールなら低温ロースト

すね(前スネ/トモスネ)

  • 風味:ゼラチン質のコク |食感:硬いが長時間加熱でとろける

  • 調理:ポトフ、ビーフシチュー、赤ワイン煮。コラーゲンでソースの艶UP

ネック・チーク・テール

  • ネック:旨み濃厚|ミンチ、カレー、煮込み

  • チーク(ほほ):筋多めもトロ旨|赤ワイン煮

  • テール:骨髄のコク|テールスープ、ラーメン出汁

“内臓系(ホルモン)”と横隔膜

  • ハラミ(横隔膜)/サガリ:赤身感と脂のバランス|焼肉の定番

  • レバー:鉄分豊富、ねっとり|短時間焼きで香りを活かす

  • ハツ(心臓):コリッと軽い脂|塩焼き・ニンニク

  • ミノ・ハチノス・センマイ・ギアラ(第一~第四胃):歯ざわりの差を楽しむ|下処理後、焼き/煮込み

  • 小腸(マルチョウ)/大腸(シマチョウ):甘脂の旨さ|強火で香ばしく


牧場視点:味を決める“育て方”の要点

  • 仕上げ期の飼料設計:デンプン/繊維のバランスで脂の融点と甘みが変化

  • ストレス管理:静穏な群管理・熱ストレス対策→pH安定=歩留まりと保水性向上

  • 休薬期間・衛生:安全性と風味の土台。枝肉の清潔度は熟成にも影響

  • 熟成:ウェットは安定、ドライは香り豊か(温湿度・気流管理が命)


お客様への“伝え方”テンプレ

  • 赤身派には:ランプ/ウチモモ/シンタマを厚めに。火入れは高温短時間+休ませ

  • 脂の旨み派には:リブロース/三角バラ。中火でじっくり、仕上げは強火で香ばしさを

  • 煮込み派には:スネ/ネック/テール。長時間・弱火でゼラチンを溶かす

  • 希少部位の楽しさ:ミスジ・イチボ・ハラミは「一頭からわずか」。出会いを提案


取り扱いと火入れの基本

  • 解凍は冷蔵庫でゆっくり(ドリップ抑制)

  • 塩は焼く直前〜数十分前、厚切りは常温戻しで中心温度を均一に

  • 中心温度の安全管理・器具の洗浄・生食NG部位の明確化など衛生ルールを厳守


部位ごとの個性を理解し、育て方×カット×火入れを最適化できれば、同じ一頭からでも驚くほど多彩な美味しさが引き出せます。牧場の物語と一緒に部位の魅力を伝える——それがファンを増やす最短距離です。